Split diopter

フランク・ウィルズを確認しようと『大統領の陰謀』を観ていたときに気づいたこと。
左のシーンの変なフォーカスについて調べてみると、imdbトリビアにこのシーンで撮影監督のゴードン・ウィルスはSplit diopterを使って撮ったとあった。要は画面の半分だけクロースアップ・レンズ越しに撮るようなものらしい。

下半分だけの老眼鏡と原理も構造も同じ。よく使われるのは水面の上下にどちらもフォーカスが合っているような写真の撮影とか。あと一シーンくらいあったような気もする。光学的な側面のみではなく経験としての人間の視界が同心円状、というか網膜からの距離のみを関数にしたフォーカスになっているはずはないが、一瞬気になるのはこちらがコンヴェンショナルな画面によく慣れているということかも。

直接関係ないが時々流行っているTilt-Shiftした写真がミニチュアに見えるという現象は面白い。あれはマクロ撮影のときの俯瞰の具合や浅くなる被写界深度が刷りこまれているということなのか、それとも実際にミニチュアのスケールのものを見たときの人間の視界に似てくるのか、どちらなんだろうか…同じといえば同じことかも知れないが。